kmjp's blog

競技プログラミング参加記です

WUPC 2019 : F - RPG

こっちはわりと手間取ってる。
https://atcoder.jp/contests/wupc2019/tasks/wupc2019_f

問題

N個の頂点がある有向グラフが与えられる。
このグラフはDAGを成しており、どの頂点も頂点1から到達可能で、かつ頂点Nに到達可能である。
一部の頂点は敵がいる。
1番からN番に向かう任意の経路のおいて、敵と敵の間には、回復所が設置された頂点を必ず1個は通るようにしたい。
回復所は、敵のいない頂点に任意個数設置できるが、頂点毎に設置コストが設定されている。

条件を満たす最小コストを求めよ。

解法

一見コストという単語に引っ張られて最小コストフローにもっていきたくなる問題だが、こういう「経路中のどこか1か所で条件を満たすようにする」みたいなor条件に対する問題はうまく最小コストフローに持っていけないことが多い。

一方、逆にor条件に関する問題は最小カットに持ち込むと解ける場合がある。この問題もそうである。
各頂点のコストを、逆に有効辺の容量として考えると、最大フローを求めればそれが最小カットになり元の問題の最小コストとなる。

以下のように辺を張る。
敵の有無に限らず頂点の倍化を行うが、敵の有無により倍化の仕方がことなる。
まず敵のいる頂点を倍化し、片方はsourceから容量無限の辺をはり、もう片方はそこからsinkに容量無限の辺を張る。
敵のいない頂点は、倍加してその間をもとのコストの容量の辺を張ろう。
あとは元のグラフに合わせて、倍加した頂点間で容量無限の辺を張る。

こうしてグラフを作り、その最大フローを求めれば、任意の敵のいる頂点間の移動経路における最小化カットが求まる。

int N,M;
int C[1010];
vector<int> E[1010];

template<class V> class MaxFlow_dinic {
public:
	struct edge { int to,reve;V cap;};
	static const int MV = 2100;
	vector<edge> E[MV];
	int itr[MV],lev[MV];
	void add_edge(int x,int y,V cap,bool undir=false) {
		E[x].push_back((edge){y,(int)E[y].size(),cap});
		E[y].push_back((edge){x,(int)E[x].size()-1,undir?cap:0});
	}
	void bfs(int cur) {
		MINUS(lev);
		queue<int> q;
		lev[cur]=0;
		q.push(cur);
		while(q.size()) {
			int v=q.front(); q.pop();
			ITR(e,E[v]) if(e->cap>0 && lev[e->to]<0) lev[e->to]=lev[v]+1, q.push(e->to);
		}
	}
	V dfs(int from,int to,V cf) {
		if(from==to) return cf;
		for(;itr[from]<E[from].size();itr[from]++) {
			edge* e=&E[from][itr[from]];
			if(e->cap>0 && lev[from]<lev[e->to]) {
				V f=dfs(e->to,to,min(cf,e->cap));
				if(f>0) {
					e->cap-=f;
					E[e->to][e->reve].cap += f;
					return f;
				}
			}
		}
		return 0;
	}
	V maxflow(int from, int to) {
		V fl=0,tf;
		while(1) {
			bfs(from);
			if(lev[to]<0) return fl;
			ZERO(itr);
			while((tf=dfs(from,to,numeric_limits<V>::max()))>0) fl+=tf;
		}
	}
};

MaxFlow_dinic<ll> mf;

void solve() {
	int i,j,k,l,r,x,y; string s;
	
	cin>>N>>M;
	for(i=2;i<=N-1;i++) {
		cin>>C[i];
		if(C[i]==-1) {
			mf.add_edge(0,i*2+1,1LL<<50);
			mf.add_edge(i*2,1010,1LL<<50);
		}
		else {
			mf.add_edge(i*2,i*2+1,C[i]);
		}
	}
	FOR(i,M) {
		cin>>x>>y;
		if(C[x]==-1 && C[y]==-1) return _P("-1\n");
		mf.add_edge(2*x+1,2*y,1LL<<50);
	}
	
	cout<<mf.maxflow(0,1010)<<endl;
}

まとめ

フローという言葉に惑わされて手間取った。
でもここで最小カットに気づけたあたりは成長したのかもしれない。