kmjp's blog

競技プログラミング参加記です

KUPC2016 : H - 壁壁壁壁壁壁壁 / WAAAAAAAAAAAAALL

このグラフ構築は出来ないわ…。
http://kupc2016.contest.atcoder.jp/tasks/kupc2016_h

問題

N要素の数列A[i]がある。
コストを1払うと、ある1つのA[i]の値を1つ前後の要素に移動できる。
ただしAの各要素を負にすることはできない。

別の数列B[i]が与えられる。
上記移動を繰り返し、A[i]≧B[i]となるようにしたい。
条件を満たす最小コストを求めよ。

解法

部分点は単純にこの問題を最小コストフロー問題に落とし込めば解ける。
source, sink意外にN個の頂点を作る。
sourceからN個の頂点に容量A[i]コスト0の辺を張り、N個の頂点からsinkに容量B[i]コスト0の辺を張る。
最後のN個の頂点で隣接する頂点間に容量無限大コスト1の辺を双方向で張れば、最小コストフロー問題になる。

満点はこの解法ではTLEする。
以下Editorialを見て解いた。

A,Bの累積和をX[i]=sum(A[0...i])、Y[i]=sum(B[0...i])とする。
sum(A)=sum(B)であれば、求める解はsum(X[i]-Y[i])となる。
また、A[i]の値を1動かすことは、X[i]を1増減させることに一致する。

この問題を逆に見て、初期状態でB[i]の状態からsum(A)-sum(B)個値を増加させ、A[i]に持って行くことを考える。
B[x]を1増やすと、Y[y](y≧x)も1増加する。
これを適切に繰り返し、sum(X[i]-Y[i])が最小となるようにしたい。

これは以下のグラフに落とし込める。
sourceからN個の頂点に容量無限大・コスト0の辺を張る。
N個の頂点でi→(i+1)に以下の2辺を張る。

  • 容量無限大、コスト1
  • 容量(X[i]-Y[i])、コスト-1

また(N-1)番の頂点からsinkに容量(X[N-1]-Y[N-1])、コスト1の辺を張る。
真面目にこの最小コストフローを求めようとすると、部分点しか取れない。
グラフがDAGを構成することから、流した要素の押し戻しが発生しないため押し戻しを省略することで高速にこのフローを求められる。

その際、最小容量の辺を求めるため区間加算・区間最小値検出が可能なSegTreeを用いる。

template<class V,int NV> class SegTree_3 {
public:
	vector<pair<V,int> > val;
	vector<pair<V,int> > ma;
	static V const def=1LL<<50;
	SegTree_3(){
		int i;
		val.resize(NV*2); ma.resize(NV*2);
		FOR(i,NV) val[i+NV]=ma[i+NV]=make_pair(0,i);
		FOR(i,NV) val[i]=make_pair(0,0);
		for(i=NV-1;i>=1;i--) ma[i]=min(ma[2*i],ma[2*i+1]);
	};
	
	pair<V,int> getval(int x,int y,int l=0,int r=NV,int k=1) {
		if(r<=x || y<=l) return make_pair(def,0);
		if(x<=l && r<=y) return ma[k];
		auto a=min(getval(x,y,l,(l+r)/2,k*2),getval(x,y,(l+r)/2,r,k*2+1));
		a.first += val[k].first;
		return a;
	}
	
	void update(int x,int y, V v,int l=0,int r=NV,int k=1) {
		if(l>=r) return;
		if(x<=l && r<=y) {
			val[k].first+=v;
			ma[k].first+=v;
		}
		else if(l < y && x < r) {
			update(x,y,v,l,(l+r)/2,k*2);
			update(x,y,v,(l+r)/2,r,k*2+1);
			ma[k]=min(ma[k*2],ma[k*2+1]);
			ma[k].first += val[k].first;
		}
	}
};
int N;
ll A[101010];
ll B[101010];
ll SA[101010];
ll SB[101010];

SegTree_3<ll,1<<19> D,F;


void solve() {
	int i,j,k,l,r,x,y; string s;
	
	cin>>N;
	
	FOR(i,N) {
		cin>>A[i];
		SA[i+1]=SA[i]+A[i];
	}
	ll ret=0;
	FOR(i,N) {
		cin>>B[i];
		SB[i+1]=SB[i]+B[i];
		if(SA[i+1]>SB[i+1]) {
			F.update(i,i+1,SA[i+1]-SB[i+1]);
			D.update(0,i+1,-1);
		}
		else {
			F.update(i,i+1,1LL<<50);
			D.update(0,i+1,1);
		}
		ret += abs(SB[i+1]-SA[i+1]);
	}
	
	ll flow=SA[N]-SB[N];
	while(flow) {
		
		while(1) {
			auto f=F.getval(0,N);
			if(f.first>0) break;
			D.update(0,f.second+1,2);
			F.update(f.second,f.second+1,1LL<<50);
		}
		//FOR(i,N) _P("%lld/%lld ",D.getval(i,i+1).first,F.getval(i,i+1).first);
		
		auto p = D.getval(0,N);
		if(p.first>=1LL<<40 || p.first==0) break;
		
		ll d = min(flow,F.getval(p.second,N).first);
		//_P(" : %lld:%d %lld\n",p.first,p.second,d);
		
		ret += p.first*d;
		flow-=d;
		F.update(p.second,N,-d);
	}
	cout<<ret<<endl;
	
}

まとめ

そもそもこのグラフが思いつかない。