kmjp's blog

競技プログラミング参加記です

yukicoder : No.867 避難経路

実装は手間だけど考察はそうでもなかったな。
https://yukicoder.me/problems/no/867

問題

H*Wのグリッドが与えられる。
各セルには、進入コストが設定されている。
また、うち1個のゴールマスが指定されている。

以下のクエリに答えよ。
マスの位置とパラメータKが与えられる。
指定されたマスからゴールマスまで、隣接セルを辿って移動することを考える。
その際にかかるコストは、通ったマスの進入コストの総和と、K^2*(通過したマス数)の和とする。
移動の最小コストを求めよ。

解法

まず、この問題設定だと指定マスからゴールマスに移動するのもその逆もコストが同じなので、ゴールマスから各マスへの最短移動経路を考える。
その際、各クエリにおいてKが変わっても最短の値が求められるよう、各マス(移動回数, そこまでの通過マスの進入コストの総和)を求めておこう。
移動回数が他の経路より多く、かつ進入コストも多いようなケースは必要ないので無視することにする。

後はダイクストラ法の要領で、移動回数と進入コストの総和の小さい順に処理していくことで求められる。
一見各点に対し移動回数がO(H*W)通りぐらい発生して全体でO(H^2*W^2)ぐらいかかりそうだが、実際にはそんなに発生しない。


あとは各クエリにおいて、マスに対応する(移動回数, そこまでの通過マスの進入コストの総和)を総当たりして、(K^2*移動回数+そこまでの通過マスの進入コストの総和)の最小値を求める。

int H,W;
int GX,GY;
int A[250][250];
vector<pair<int,ll>> D[250][250];
int Q;

void solve() {
	int i,j,k,l,r,x,y; string s;
	
	cin>>H>>W;
	cin>>GY>>GX;
	GY--,GX--;
	FOR(y,H) FOR(x,W) {
		cin>>A[y][x];
		if(y!=GY || x!=GX) D[y][x].push_back({0,1LL<<60});
	}
	
	D[GY][GX].push_back({1,A[GY][GX]});
	set<pair<int,int>> C;
	C.insert({GY,GX});
	int step=1;
	while(C.size()) {
		set<pair<int,int>> C2;
		FORR(c,C) {
			int cy=c.first;
			int cx=c.second;
			int dd[4]={1,0,-1,0};
			ll co;
			if(D[cy][cx].back().first==step) co=D[cy][cx].back().second;
			if(D[cy][cx].back().first==step+1) co=D[cy][cx][D[cy][cx].size()-2].second;
			
			FOR(i,4) {
				int ty=cy+dd[i];
				int tx=cx+dd[i^1];
				if(ty<0 || ty>=H || tx<0 || tx>=W) continue;
				ll co2=co+A[ty][tx];
				if(co2<D[ty][tx].back().second) {
					if(D[ty][tx].back().first==step+1) {
						D[ty][tx].back().second=co2;
					}
					else {
						D[ty][tx].push_back({step+1,co2});
						C2.insert({ty,tx});
					}
				}
			}
		}
		step++;
		swap(C,C2);
	}
	
	
	cin>>Q;
	while(Q--) {
		ll K;
		cin>>y>>x>>K;
		y--,x--;
		ll mi=1LL<<60;
		FORR(d,D[y][x]) {
			mi=min(mi,K*K*d.first+d.second);
		}
		cout<<mi<<endl;
	}
	
	
	
}

まとめ

状態のバリエーションがそこまではない、ってのがコツなのかな。