kmjp's blog

競技プログラミング参加記です

yukicoder : No.1241 Eternal Tours

勉強になりました。
https://yukicoder.me/problems/no/1241

問題

(2^X-1)*(2^Y-1)のグリッドがあり、初期状態でマス(a,b)にコマを置く。
以後、時刻1毎に、コマをその場にとどめるか隣接マスに移動するかする。
ただし、当然ながらグリッド外にコマを移動することはできない。

時刻T後にマス(c,d)にコマがあるような移動方法は何通りか。

解法

X,Y,Tが小さければ愚直なDPで良いがそうもいかない。
ここでは2つの手順でこのDPを軽くする。

1つめはグリッド外に出られないという条件である。
ここでは鏡像法を使う。グリッドサイズを(2^(X+1))*(2^(Y+1))に拡張しよう。
そして、元のグリッドに対し、左右及び上下に反転したものを置く。
また、間には太さ1の空き領域を置く。

つまり、(1,1)-(2^X-1,2^Y-1)のグリッドに対し初期状態では(a,b)のみ1が書かれている状態を考える。

  • 左右に反転して(2^X+1,1)-(2^(X+1)-1,2^Y-1)に配置したと考え、(2^(X+1)-a,b)に-1を書く
  • 上下に反転して(1,2^Y+1)-(2^X-1,2^(Y+1)-1)に配置したと考え、(a,2^(Y+1)-b)に-1を書く
  • 両方反転して(2^X+1,2^Y+1)-(2^(Y+1)-1,2^(Y+1)-1)に配置したと考え、(2^(X+1)-a,2^(Y+1)-b)に1を書く

また、上下左右はループしていると考える。
このグリッド上で考えると、コマが(1,1)-(2^X-1,2^Y-1)からはみ出そうになると、左右や上下の-1から同様にコマが移動してきたケースと打ち消しあうので、はみ出るケースを考慮する必要がなくなる。

これで1つめの問題は方がついて、あとはDPをT回行うのは大変という話。
テーブルと、状態変化の行列をそれぞれ2次元FFTで変換すると、DPで行列をT回掛け算する代わりに、各要素に同じ値をT回かけるだけで良くなる。

int X,Y,A,B,C,D;
ll T;
const ll mo=998244353;

ll modpow(ll a, ll n = mo-2) {
	ll r=1;
	while(n) r=r*((n%2)?a:1)%mo,a=a*a%mo,n>>=1;
	return r;
}

template<class T> vector<T> fft(vector<T> v, bool rev=false) {
	int n=v.size(),i,j,m;
	
	for(i=0,j=1;j<n-1;j++) {
		for(int k=n>>1;k>(i^=k);k>>=1);
		if(i>j) swap(v[i],v[j]);
	}
	for(int m=2; m<=n; m*=2) {
		T wn=modpow(5,(mo-1)/m);
		if(rev) wn=modpow(wn);
		for(i=0;i<n;i+=m) {
			T w=1;
			for(int j1=i,j2=i+m/2;j2<i+m;j1++,j2++) {
				T t1=v[j1],t2=(ll)w*v[j2]%mo;
				v[j1]=t1+t2;
				v[j2]=t1+mo-t2;
				while(v[j1]>=mo) v[j1]-=mo;
				while(v[j2]>=mo) v[j2]-=mo;
				w=(ll)w*wn%mo;
			}
		}
	}
	if(rev) {
		ll rv = modpow(n);
		FOR(i,n) v[i]=(ll)v[i]*rv%mo;
	}
	return v;
}

void fft2d(vector<vector<V>>& dp,bool rev=false) {
	int Y=dp.size();
	int X=dp[0].size();
	int y,x;
	FORR(d,dp) d=fft(d,rev);
	FOR(x,X) {
		vector<ll> V(Y);
		FOR(y,Y) V[y]=dp[y][x];
		V=fft(V,rev);
		FOR(y,Y) dp[y][x]=V[y];
	}
}


void solve() {
	int i,j,k,l,r,x,y; string s;
	
	cin>>X>>Y>>T>>A>>B>>C>>D;
	vector<vector<ll>> dp(1<<(X+1),vector<ll>(1<<(Y+1)));
	vector<vector<ll>> M(1<<(X+1),vector<ll>(1<<(Y+1)));
	
	dp[A][B]=dp[(1<<(X+1))-A][(1<<(Y+1))-B]=1;
	dp[A][(1<<(Y+1))-B]=dp[(1<<(X+1))-A][B]=mo-1;
	M[0][0]=M[0][1]=M[1][0]=M[(1<<(X+1))-1][0]=M[0][(1<<(Y+1))-1]=1;
	
	fft2d(dp);
	fft2d(M);
	FOR(x,dp.size()) FOR(y,dp[0].size()) {
		dp[x][y]=dp[x][y]*modpow(M[x][y],T)%mo;
	}
	
	fft2d(dp,1);
	cout<<dp[C][D]<<endl;
		
}

まとめ

どちらのテクも勉強になりました。